前回に引き続き、デモクラTVより。
11月9日のデモクラ本会議にゲスト出演した弁護士の海渡雄一さんのお話しです。
この話を聞いて、希望が持てると同時に、秘密保護法のおそろしさ、下劣さを改めて認識。
NYタイムズが、この法案を評して「illiberal」と書いた、この「illiberal」という言葉には、反自由主義的という意味と同時に「下品な」という意味があるのです。まさにこの秘密保護法案は「下品な」法案だとデモクラTV本会議で池田香代子さんも言っていました。
池田さんいわく、何が下品かといって、共謀罪というものを設けている。だれかとだれかが集まって、秘密保護法に抵触することがらについて調査を始めようと相談しただけで、罪に問われる。その際、相談(共謀)の事実を、相談に加わったうちの誰かが自ら申告すれば(密告すれば)、その人だけは罪を免れるのです。
参考記事:
NYタイムズが「特定秘密保護法は反自由主義的で下品な法」と批判
DAILY NOBORDER 11月1日(金)16時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131101-00010003-noborder-soci
日本の特定秘密保護法案についてNYタイムズ紙は30 日付の紙面で、特定秘密保護法案は「反自由主義的(illiberal)(下品な)法(案)」と題する社説を掲げた。この中で、特定秘密保護法は法案自体が問題なだけではなく、“日本国民の自由・諸権利を制限し、近隣諸国の疑念を一層呼び起こしかねない”と批判した。
(引用ここまで)
こちら↓、海渡弁護士の発言の一部文字起こし、短いですのでお読みください。なるほど、下品な法案です。そしてウソで塗り固められた法案です。
◆海渡雄一弁護士のお話しより、一部文字起こし(2013.11.09)
(11月21日(木)に行われる日比谷野外音楽堂での秘密保護法反対集会&デモ(※1)について)
わたしはここに5000人集まったら、この法案をストップできるんじゃないかと思っている。
日比谷野外音楽堂は3000人はいることになっているけれども、5000人来ても、周りの森の中まで入れる。あふれるということはないので、ぜひお願いします。
(秘密保護法が成立すれば)
公務委員だけではなくて、ジャーナリストも危ないし、市民運動家も狙われると思いますね。
いまやっぱり公務員から情報をだすときには、ジャーナリストに渡すこともあるでしょうけれども、我々原発反対の市民運動をやっている人のところに重要な情報が来る、それを公表すると、つかまる。
この法律の恐ろしいところはですね、共謀とか扇動とかいう段階で取り締まりますから、そういう秘密情報があるんじゃないかと思って調査を始めた段階で捕まるんですね。
たとえば、もう日本が核武装の計画があるかもしれないと。そういうものがあるならそういうことをやってる役人に接触してみようということを僕と(たとえば)後藤さん(後藤政志さん。デモクラTV本会議に出演されてました)が話しあって、ある晩ですね、話し合ったということが、もうだめですね。
で、後藤さんがですね、海渡弁護士と変な相談しちゃったと、これは大変なことになるかもしれないと思って警察にタレこめば、後藤さんは助かる、僕は捕まる。
密告した時は助かると書いてあるんですよ。
基本的に政府の説明が嘘なのは、第三者は原則罰しませんと言ってるんですね。で、特定取得行為にあてはまる場合だけ処罰しますという風に言ってるんです。
特定取得行為とは、窃盗とかですね暴行、脅迫とかそういう場合ですという風に言うんです。
だけども条文をよく読んでみると窃盗とか住居侵入、暴行、脅迫、その他特定秘密を管理する者の管理を害する行為によって秘密を取得したときは処罰すると書いてある。
管理を害する行為というのは、何でも入るんです。考えてみてください。
この特定秘密というのは厳重に管理されているんですよ、ジャーナリストがそれを取得して管理を害していないと言えるのはいったいどんな場合があるのか、説明して見ろというのです。
(文字起こしここまで)
みんなで何かを相談して、そのうちのだれか一人が相談したという事実を警察にたれ込めば、そのたれ込んだ人だけは罪を免れる。他のメンバーは罪に問われる。これって、密告をおこなって、仲間を裏切れということを暗に奨励しているようなものですよね。
こんな罪が成立するなら、だれか気に入らない相手にわざと相談をもちかけて、自ら警察に名乗り出て、相手を故意に陥れることだって簡単にできてしまいます。
誰が信用できる相手で、誰が信用できないかがわからなくなって、みんな疑心暗鬼におちいって、同じ市民運動を行う仲間の間ですら、人間関係はめちゃくちゃに壊れてしまう。
わたしたちのように権力も何もなくて、ただ自分もなにか社会の役に立ちたいと思って市民運動をやっている人間にとって、同じ目的をもってともにたたかう人たちとの関係は何ものにもかえがたいもの。この法律はそれを破壊する。それは人間の心を破壊してしまうことなのです。
法律は芸術作品などと違って無機的なもので、直接的な感情や人間性があらわされているものではない――。
この法案は下品だという表現を最初聞いたとき、法律に「下品」などという人間的な形容詞を用いることに少し違和感を感じました。
けれども、海渡さんや池田さんのお話しを聞いて、なるほどこの「秘密保護法案」は、これを作った人間にふさわしい下劣で下品な法案だと思いました。
法案を作ったのは政治家ではなく官僚で、この法案には、わたしがここで書いたのとは別の意味でも、官僚の狡さ、汚さが表れているというような意味のことを、ある集会で弁護士さんもおっしゃってました。
作ったのはたしかに官僚なのだろうけれど、この「秘密保護法案」は、いま日本をきな臭い方向に導こうとしている人たちの人間性の卑しさをよく表している法案だと思います。
※1
●11月21日(木) 午後6時半開会/午後7時半 国会請願 デモ 日比谷野外音楽堂
11.21大集会へ 国会にNOの声を届けよう!
秘密法に反対するすべての人たちが大集合
STOP!「秘密保護法」 11.21大集会
~「何が秘密?それは秘密」 それはイヤだ!~
主催:STOP!「秘密保護法」11.21大集会実行委員会
http://www.himituho.com/
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