猪瀬氏が都知事を辞職――それはそうでしょう。そう思って見ていた人は多いはず。
しかし、猪瀬氏の後釜として、マスコミがぞろぞろと出してきた都知事選の想定される候補者を見て、げんなりした人は多かったことでしょう。
なんで、こんな選択肢しかないんだ? これでは投票する先がないだろう…。
前回の都知事選で猪瀬氏と一騎打ちをして、その得票こそ大きく猪瀬氏に引き離されたものの、多くの市民がボランティアで選挙運動を支えるという、かつてない選挙運動を繰り広げた宇都宮氏の名前が上がらなかったのはなぜだろう…?
このことについての孫崎享さんの論考です。孫崎さんのメルマガより。
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東京都知事選挙ーマスコミは操作。宇都宮氏はずし。理由は何? 踊らされずに自ら選択しようー
猪瀬氏が辞任した。
後継者について各報道機関は大筋次のように報じている。
「一方、各政党は猪瀬知事の辞職を受け、候補者選びを本格化させている。 現職の国会議員を中心に名前が取り沙汰されているが、現段階で名乗りを上げた候補はなく、難航も予想される。
自民党の石破茂幹事長は十九日、党都連幹部と会談し、年内に候補者を決める方針を確認。二十日には都選出の党所属国会議員が今後の対応を協議する。石原伸晃環境相や小池百合子元防衛相、下村氏らのほか、五輪メダリストの橋本聖子参院議員(比例代表)の名前も挙がっている。
都知事選で勝つには高い知名度が求められ、連立与党を組む公明党や自民党都連との調整も必要。河村建夫選対委員長は「簡単にはいかないだろう」と述べた。下村氏は十七日の記者会見で、すでに出馬に否定的な考えを示している。
野党では民主党の蓮舫元行政刷新担当相や長妻昭元厚生労働相らが候補。今年の参院選を機に国会議員を引退した舛添要一元厚労相、衆院議員を辞職した東国原(ひがしこくばる)英夫氏の出馬もささやかれている。」(19日 東京新聞夕刊)
19日読売新聞WEB版も橋本聖子、舛添要一、、下村文部科学相、小池百合子、東国原英夫氏等の名前を掲載した。
私は次のようにツイッターした。
「19日 朝日新聞夕刊は「後継選び本格化」として自民党、公明党、民主党の動きを書き、これらの候補者及び東国原にも言及していますが何故宇都宮氏を省いたのでしょうか。前回第2位であるので対象に(なる)はずと思いますが、はずしたには特別の意図があるのでしょうか。」
地方首長選挙は政党からでるとは限らない。
最近の地方選挙を見れば、既存政党の推薦候補者が落選するケースが続出している。そうであれば、既存政党推薦を注目しなければならないのは当然だ。
何故各メディアは宇都宮氏をはずしたのか。
周辺の人に聞けば「宇都宮氏はいろいろの所から立候補の要請が来てると話している」とのことである。
たまたま19日宇都宮氏が演説する一部を聞いた。極めて意気軒昂であった。そうであれば、各紙は当然宇都宮氏の動向も取材すべきだ。
マスコミの報道は宇都宮氏の存在を意図的に小さくしているとみられてもしようがない。
日本は今、秘密保護法、TPP,集団的自衛権、消費税、原発再稼働等将来にも影響を与える重大な岐路にある。
都政は直接こうした政策には関係はない。しかし、衆議院選挙が長期間ないとすれば、知事選挙は声を上げる絶好の機会である。
マスコミに踊らされるのでなく、何が一番重要な政策と考えるか、それに個々の候補者がどのような方針を持っているかを検討すべきだ。
(転載ここまで)
※有料のメルマガですが、ブログ転載OKというご本人の了解を得て転載しています。
さて、すでにご存じの通り、宇都宮氏はフリージャーナリスト志葉玲氏のインタビューに対し、事実上の出馬宣言とも受け取れるような答えを返しました。まっさきに宇都宮氏へのインタビューをおこなったのが、大手マスコミではなくフリージャーナリストの志葉玲氏だったというところが、孫崎氏が書いているように、今の日本のマスコミの状況を示していると思います。
宇都宮氏のインタビューはこちら。
【速報】都知事選、宇都宮健児氏「多くの人々の応援得られたら、それに応える覚悟ある」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20131222-00030888/
志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
猪瀬直樹氏の都知事辞任を受け、後任の都知事候補が誰になるのか取り沙汰されている。そんな中、昨年の都知事選で、猪瀬氏に次ぐ得票を得た、あの人はどう考えているのか。宇都宮健児元日弁連会長を直撃した。
―都知事選に出馬されますか?
多くの市民の方々の応援をいただけるのならば、それに応える覚悟はあります。
―事実上の出馬宣言ですね?
選挙というものは、立候補する人が一人でやるものではなく、支持する人々が盛り上げていくもの。皆さんからの強い要望があるならば、私も頑張ります。
―仮に出馬されるとしたら、どのような政策を訴えていかれるのでしょうか?
まず、首都直下地震対策です。石原、猪瀬両知事は、オリンピック招致関連のハコモノに予算をかける一方で、地震対策費は削減してきた。学校や公共施設の耐震強化はろくに行われていないのが実態です。都民の安全を守るため、地震対策は急務です。地震で東京湾岸沿いの工場や石油・ガスプラントで火災が起きた場合、都内へのエネルギー供給が断たれる恐れもありますから、千葉県や神奈川県、そして政府とも連携して対策に取り組むべきでしょう。
―東京でのオリンピック開催が決定しましたが、これにはどの様なお考えで?
一度、決まってしまったものを今から覆すのはさすがに難しいでしょうから、なるべく税金の無駄が少ないコンパクトなオリンピックを目指すべきでは、と思います。大事なことは、東京での開催に向けて周辺国との緊張を緩和し、「平和の祭典」としてのオリンピックを目指すこと。安倍政権は特定秘密保護法や集団的自衛権行使の容認に向けた動きなど、「戦争できる国づくり」を急速に進めています。このままでは、日中戦争開戦で開催できなかった1940年の「幻の東京オリンピック」の二の舞いになるのかもしれません。ですから、平和と友好というオリンピックの理念の下、東アジアの緊張緩和を目指すべきだと思います。
―東京都は東電の大株主です。原発についてはいかがでしょうか?
脱原発を進めていくべきです。福島第一、第二原発、そして柏崎刈羽原発の廃炉を求めていくべきでしょう。汚染水対策も口先だけでなく、しっかりとやっていくべきです。
―労働基準法違反の長時間低賃金労働を強いる、いわゆるブラック企業が社会問題化していますが、サラ金被害者救済を行ってきた宇都宮さんは、ブラック企業対策は得意分野ですよね?
はい。都の事業などを企業が受注する際、その企業が労働者に対し最低賃金を支払っているかを受注の条件とするよう、公契約条例を見直すべきだと思います。また、働きすぎによる過労死・過労自殺・うつ病をなくすため過労死防止条例も導入するべきでしょう。
―多くの都民が選挙の際に参考にするだろう経済政策についてはいかがでしょう?
アベノミクスのような、一見、威勢のいいイケイケの経済政策は、結局、格差を拡大させ、より多くの貧困を生み、破綻します。都がやるべきこととして私が考えるのは、公営住宅の拡充や、低所得者向けの家賃補助。というのは、ちゃんとした住所がないと就職活動をしても採用されませんし、家賃負担さえなければ、生活保護を受けなくても大丈夫、という人々は大勢います。都内には空き家も増えてきていますから、都が家賃補助をして入居者が増えれば、大家さん達も助かるでしょう。格差貧困をなくすことが、結果として内需拡大につながり、経済の活性化につながると思います。
(了)
まだどうなるかわかりませんが、宇都宮氏が出馬するとなると、市民が総結集して現政権へのNOをつきつける絶好のチャンスになります。東京という一都市のことではありますが、日本の中枢である東京に新しいムーブメントが起これば、その影響は絶大です。
こちら↓、前回の宇都宮氏の選挙戦で、市民ボランティアとして活躍された方の選挙レポート。以前にも一部を紹介しました。
昨年末の宇都宮さんと山本太郎さんの選挙戦を追ったブログです。
臨場感のある写真がいっぱい。見終わった時は、選挙負けたけど爽快で、なんだか感動してしまったのでした。久しぶりに読みましたが、今読んでもなんか感動します。
是非ご覧になって下さい(^^)
おしっ、投票に行くど!
http://kuromorianno.blog.so-net.ne.jp/2012-12-16
戦い終えて。
http://kuromorianno.blog.so-net.ne.jp/2012-12-17
ブログ:黒森庵の、こんくらいより
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