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安倍首相「貴方は言論弾圧を漫画の世界でも行う積りなのか」―孫崎享

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今大問題になっている「美味しんぼ」の描写。脱原発派の間でも意見が分かれ、脱原発派の中からも美味しんぼをバッシングする声が上がっています。

私の入っているとあるメーリングリストも然りで、バッシング派と擁護派の批判合戦が勃発、一時は泥試合の様相を示していました。正直、もううんざり…
ですが、そのことについては今回は触れません。


一国の首相が、ある漫画の表現について述べる。
よく分からないのですが、普通こういうことを一国の代表たる大統領とか首相とかが軽々しく言うものなんでしょうか? 私の感覚では、異様な感じがします。
そして、こんな異常な大騒ぎがおこっていること自体が、原発推進派にとって美味しんぼの描写がいかに都合が悪いかということを示しているように思います。



孫崎享さんが、このことについて述べられていたので、ご紹介します。
(強調文字はブログ管理人が入れました)


安倍首相、「貴方は言論弾圧を漫画の世界でも行う積りなのか」問題は「美味しんぼ」だけを超える (孫崎享メールマガジンより)



17日共同通信は次の報道をした。


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「首相「風評に国として対応」 美味しんぼ描写

 安倍晋三首相は17日、小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味しんぼ」で主人公らが東京電力福島第1原発を訪問した後に鼻血を出す場面が描写されたことに関し「根拠のない風評に対しては国として全力を挙げて対応する必要がある」と述べた。視察先の福島市で記者団の質問に答えた。


 原発事故によって住民の健康不安や、農作物、観光産業への風評被害が出ていることに「根拠のない風評を払拭するため分かりやすく情報を提供する」と強調。「政府として今までの伝え方で良かったのかを検証し、正確に情報提供したい」と述べた。


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先ずこの問題でニュース源になった前双葉町長・井戸川克隆氏の発言を、5月12日(月)「岩上安身による前双葉町長・井戸川克隆氏インタビュー」で見てみたいと思います。


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5月12日(月)「岩上安身による前双葉町長・井戸川克隆氏インタビュー」の模様を実況します。

漫画「美味しんぼ」で取り上げられた鼻血の描写について、井戸川氏にお聞きします。


岩上
「本日は井戸川克隆さんにお話をうかがいます。今回、非常に大きな話題の渦に巻き込まれるかたちになりました。ビッグコミックスピリッツの『美味しんぼ』の中に井戸川さんが登場し、鼻血や体調不良について言及する場面が 描かれました」


井戸川氏
「雁屋哲さんとスタッフの方が取材に来られて、鼻血が出るという話になり、その流れで私も『出る』と話しました。はじめから、鼻血ありきでストーリーを作るということではなかったと思います」


岩上
「雁屋さんご自身も、インタビューの中で、福島の取材から帰ってきて『鼻血が出た』と言っています。現在の井戸川さんの体調はいかがでしょうか」


井戸川氏
「今も喉がガラガラします」


井戸川氏
「鼻血について記憶しているのは、埼玉の騎西高校に来て、校長室に寝泊まりするようになってからです。大量ではなく頻繁、です。夜に出ます。今もそうです。詰め物が真っ赤になるし、口からもドロっとしたものが出ます」


岩上
「井戸川さんが、鼻血の症状についてFacebookにアップされましたね」


井戸川氏
「石原環境相の発言があったからです。『嘘だ』というような声について、苦々しく思っています。まず、こういう症状があるという事実について、知ってほしかった」


岩上
「3年たって、なぜ今なのか、という声もあります」


井戸川氏
「否定も肯定も、きちっと調べてからご意見をいただきたいと思います。医師も、被曝の経験者ではないので、話が通じないのです。行ってすぐ、『関係ありません』と決めつけられてしまう」


岩上
「井戸川さんご自身が被曝をしたことは間違いないですよね。それと、症状の因果関係があるということでしょうか」


井戸川氏
「私は、そう思っているということなんですよ。それを否定するというのは、私の人権を侵害するということです」


井戸川氏
「過去の委員会質疑で、自民党の議員が鼻血について質問しています。そうなると、石原大臣が否定するというのはおかしいと思います」


岩上
「自民党が野党時代、山谷えり子議員ですね。福島選出の森雅子議員も鼻血について言っていますね」


岩上
「野党時代の自民党は、鼻血が福島県や宮城県の県南で生じていることを取り上げ、 当時の民主党政権に詰め寄っているわけですね」


井戸川氏
「石原大臣が、そのようなことを踏まえていないのは問題ではないでしょうか」


井戸川氏

「私は被害者意識を持っています。ここまで言えば、石原大臣にも伝わって、何らかの対応を取っていただけるんじゃないですか」


井戸川氏
「今日はフジテレビ、TBS、それから福島県内のテレビ局からも取材がありました。しかし、私は鼻血のこと、体調不良のことはずっと言ってきました。福島県、東電、政府に言ってきたのに、どこもメディアは取り上げてき ませんでした」


岩上
「今回の漫画を見て、どのように感じましたか」


井戸川氏
「ちゃんと書いていると思います。漫画は雁屋さん自身の作品ですから、それについて良いとか悪いということをいう立場にありません。この内容を否定するなら、立証をしてほしい」


**********************************


少なくとも現地に居住していた人が言っている。
それは事実である。
その事実を報ずることを、「根拠のない風評に対しては国として全力を挙げて対応する必要がある」と述べていることはどういう事か。

まさに表現の自由、民主主義の根幹を揺るがす問題である。


更に原発事故と鼻血については次の記載がある。


********************************


漫画「美味しんぼ」が紹介した福島県民の鼻血についての記述に批判が集まっているなか、フォトジャーナリズム誌「DAYS JAPAN(デイズジャパン)」の広河隆一編集長は13日、チェルノブイリの原発事故後、周辺住民の5人に1人が鼻血を訴えていたことを明らかにした。広河編集長は「鼻血が出ると訴えている人がいることを認めて、それが病気に結びつかないようにするための議論をするべきだ」としている。(オルタナS副編集長=池田 真隆)


広河編集長は1993年から1996年にかけて、チェルノブイリ原発事故の避難者に対して、健康状況についてのアンケートを実施した。
このうち原発から3キロ離れたプリピャチ市の避難民9501人には「事故後、1週間で身体に感じた変化はあった」と聞いた。その結果、19.3%(1838人)が「鼻血が出た」、56.3%(5346人)が「異常な疲労感を覚えた」と回答した。

原発から17キロ離れたチェルノブイリ市の避難民2127人にも同じ質問をした。すると、「鼻血が出た」と回答した人は21.6%(459人)、「異常な疲労感を覚えた」という人は61.7%(1312人)に達した。

さらに、45キロ離れたポレスコエ地区の避難民1005人のうち、29.1%(292人)が「鼻血が出た」と答え、59.2%(595人)が「異常な疲労感を覚えた」と回答した。


この調査は、1986年の事故から約10年が経過してから行ったものだ。質問項目には「現在(1996年時)の健康状態」について聞いたものもあったが、いずれの地区でも「鼻血が出た」と答えた人の割合は2割で、「疲れやすい」が5割を超えていた。

**********************************

福島原発が健康に如何なる影響があるかは様々な見解が紹介されていくべきである。今回のように取材にもとづいた報道を首相みずからが「根拠のない風評に対しては国として全力を挙げて対応する必要がある」と述べていることは極めて危険な現象である。
(転載ここまで)

※こちらは有料のメルマガですが、孫崎氏ご本人の了承を得て、転載しています。




バッシング派は、鼻血と放射能の関連を示す科学的データはないと言います。

チェルノブイリでも、急性放射線障害は別として、放射線との因果関係が公式に認められているのは、甲状腺がんだけだと言います。実際には被災した旧ソ連各共和国の科学者たちが、多くの病気の発生率が著しく増加していることを確認したにもかかわらず。※1


「科学的データがない」=「健康被害と放射能とは因果関係がない」という図式がまかり通るのなら、ぐだぐだと理由をつけてまともな検査や健康被害に関する広範なアンケート調査等々を行わず、サボタージュすればするほど、不都合な事実に対して「そのことと放射能の影響を示す明確なデータは存在しない。ゆえに、それは根拠のない風評被害である」と、推進側は堂々と言えるわけです。


そして「風評被害」という鶴の一声で、どれだけ多くの人が(自分自身明らかな体調不良を体験し、放射線の影響を疑っている人でさえ)黙らされてしまうことか。

なぜなら自分の身に起こったことと放射能との因果関係を明確に示すことなど、誰にもできないから。そして自分の一言が福島の人たちを風評被害で苦しめるという道徳的非難を受けるとなると、多くの人はなにか自分の方が悪いことをしているかのような罪悪感を抱いてしまいがちだからです。

ですから「風評被害」がいかに福島を苦しめるかということを声高に叫ぶほど、大騒ぎすればするほど、推進派にとっては都合がよいことになるわけです。
今まさに新聞やニュースでは美味しんぼのせいで「風評被害」が生じたと騒いでいますが、しかし実際はこの情報自体、本当のことなのかどうかよく分からない…。

こんな記事がありました。一応、ご参考までに。この情報がどの程度正しいのか確認できませんので、あくまで「参考」ということで御願いします。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2553.html

 ↓  ↓
【デマ注意】「美味しんぼの影響で旅館の予約を団体客がキャンセルした」という情報はデマ!観光協会「キャンセルは数件だけ」
数日前からテレビやネット上で「美味しんぼが放射能被曝のことを書いたせいで福島の旅館のキャンセルが相次いでいる」というような情報が出回っていますが、これは大嘘である事が判明しました。(引用ここまで) 続きはこちら⇒ 



美味しんぼ問題では、「多くの人が鼻血をだした」ことの信憑性のみが騒がれていますが、「風評被害が出た」という情報自体も、いったいどのレベルの被害なのか、大手メディアの情報を簡単には鵜呑みにはできない、ということだと思います。


※1 参考:
今日、チェルノブイリ原発の核爆発が、生態学的、経済的、社会的そして心理学的にどのような影響を及ぼしたかについては議論の余地がない。一方、この事故が人びとの健康にどのような放射線影響を及ぼしたかについては、著しい評価の食い違いが存在している。チェルノブイリ事故直後に、被災した旧ソ連各共和国の科学者たちは、多くの病気の発生率が著しく増加していることを確認した。しかし”国際原子力共同体”は、そのような影響はまったくなかったと否定し、病気全般にわたる発生率の増加とチェルノブイリ事故との因果関係を否定した。そして、この増加を、純粋に心理学的な要因やストレスによって説明しようとした。…略…
彼らは、旧ソ連 の被災者たちを救うために客観的な立場をとるのではなく、事故直後から影響を過小評価しようとしてきたソ連政府の代弁者の役を演じた。
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/burogu45.html





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