新右翼団体『一水会』という右翼団体を、みなさんご存じでしょうか。
『一水会』の最高顧問、鈴木 邦男さんのイベントや講演会は、実はこちらのイベント情報でも何度も紹介しています。
わたしが鈴木さんのことを知ったのはごく最近です。右翼団体という、わたしにとってはいままで完全な忌避の対象になっていた団体に属する鈴木さんのおっしゃることは、実に理にかなっていてすばらしい。単に右翼・左翼とひとくくりにしてしまうことの安易さに思い至りました。
今回は、『一水会』現代表の木村三浩氏の語る、現代日本にはびこるお手軽で軽薄なナショナリズムです。朝日新聞7月17日の朝刊からの引用です。
これだけの長さの記事を、すべて引用する気になることはなかなかありません。最初から最後まで「そうだ、そうだ!」と大拍手を送りたくなるすばらしい記事ですので、ぜひお読み下さい。
(一部抜粋)
少なくとも冷戦終結後は……世界の中でどういう日本を目指すのか自分の頭で考えなければならなかった。ところが結局、アメリカについていけばいいんだという惰性に流れてしまいました。損か得か、ごく短い時間軸でしか物事を考えられない定見を欠いた国。それが今の日本です。
……
決定的だったのは、イラク戦争への加担です。真っ先に開戦を支持し、協力した。そこには日本独自の判断なんかみじんもないし、その判断が妥当だったかの検証すらいまだに行われていません。こんな現状を放置したまま憲法を改正したら、集団的自衛権の旗印のもと、アメリカの下請けとして、どこまでも引きずられて行くことになる。ゆえに現時点では、憲法改正には反対せざるを得ません。
……
TPP(環太平洋経済連携協定)もそうです。日本をアメリカに売り渡すことになると、右翼の立場から反対しています。だけど安倍晋三首相は、東京都議選告示前の街頭演説で遭遇した反対派の人たちを「左翼の人達」「恥ずかしい大人の代表」とフェイスブックで批判しました。日の丸を持っている人もいたのに、自分の言うことに反対する人間はみんな左翼だとレッテル張りをして攻撃する。お手軽な時代にふさわしい、お手軽な政治手法です。
成田空港の建設に反対する三里塚闘争のような異議申し立てが社会から消え、人々がいきり立たずに生きていける社会になったことは喜ぶべきかもしれません。しかしその結果、思想の力が弱まり、みんな自分の生活さえ守れればいいとなって、問題が起きた時に、何が「正義」か問うことすらできなくなっている。お手軽に生きているツケは、いつかきっと払わなければならないでしょう。
(朝日新聞7月17日朝刊より)
日本人は、目先の景気とか、株価とか、いまちょっと勢いのある自民党よいしょの雰囲気に流されて、もはや何が正義かを考えることもできなくなっています。日本人は、かつてエコノミックアニマルといわれ、個人の本当の幸福も、他人の痛みもそっちのけで、ひたすら経済成長のみを目指してきました。そのなれの果てが今の姿なのだと思います。
原発には反対。憲法改正にも反対。だけど、やっぱり自民党に投票する。
本当に本当に、何度考えても情けなくて、できることなら、「もう日本人辞めたい」状態です…。
たしかに自民党に対抗できるという意味での選択肢はなかった。でも、たとえ自民党の勢いに勝てないとしても、「原発NO」、「改憲NO」、「TPPNO」、の意思を選挙によって示すことはできたはずです。
今日の新聞の雑誌広告欄に、週刊現代のこんな広告が載ってました。
安倍自民 さあ、やりたい放題
「日本の選択」参院選 一憶3000万人の後悔
消費税アップ、憲法改正、公共事業…
何年かして、あの時の自分の選択が日本をこんな国にしてしまったと、自民党に歴史的大勝を与えた自分の選択をちゃんと振り返って反省する能力が日本人にはあるのでしょうか…?
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