通行人の顔、カメラで撮影し追跡 大阪駅ビルで実験へ
1月6日に朝日新聞に掲載されたこの記事、覚えている方も多いと思います。
わたしも漠然とながら、この記事にいやーな感じを受けました。
2014年1月6日05時39分
http://digital.asahi.com/articles/ASG15410GG15PTIL008.html
JR大阪駅の駅ビル「大阪ステーションシティ」(大阪市北区)で通行人の顔をカメラ約90台で撮
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影し、その特徴を登録して同一人物を自動的に追跡する実験が4月から始まる。顔認証技術の精度を確かめるのが狙いで、データは個人が識別できない処理をしたうえで、JR西日本に提供されるという。不特定多数の人を撮影しデータを収集する行為に、専門家はプライバシーへの懸念を示している。
JR大阪駅の駅ビル「大阪ステーションシティ」(大阪市北区)で通行人の顔をカメラ約90台で撮影し、その特徴を登録して同一人物を自動的に追跡する実験が4月から始まる。顔認証技術の精度を確かめるのが狙いで、データは個人が識別できない処理をしたうえで、JR西日本に提供されるという。不特定多数の人を撮影しデータを収集する行為に、専門家はプライバシーへの懸念を示している。
総務省所管の独立行政法人「情報通信研究機構」(東京都小金井市)がJR西日本とステーションシティを運営する「大阪ターミナルビル」の協力を得て、2年間実施する。
実験では、各カメラで3メートル四方にいる数十人の顔を撮影する。両目間の幅など100カ所程度の各人の顔の特徴を抽出して特定のIDを与えて登録し、別のカメラが同じ特徴を持つ顔を識別すると、同一人物と判断して追跡する仕組みだ。(朝日新聞)
勝手に顔を撮影されて、それで追跡されるなんて、まるで犯罪者になったみたい…。
記事では、個人が特定できないように処理をすると言っている。
でもそんなこと、信用できますかね?
上記記事は有料なので、会員の方以外は途中までしか読めませんが
「大学教授や弁護士らでつくる、個人情報の扱いを議論する政府の技術検討部会は昨年12月、顔データは処理を施しても個人が特定される可能性が高いとして、「取り扱いについて慎重に検討すべきだ」との報告書をまとめている。」
と書かれています。
いったい何の目的でこんなことをするのかわからないところがなお気持ち悪いです。
データはJR西日本に提供されるという、そのJR西日本というのが、また非常にうさんくさいのです。
JR大阪駅は、これまで市民運動に対して複数の圧力や妨害をしかけてきています。その所属組織であるJR西日本もまた、そういう体質の組織なのではないでしょうか。
①がれき焼却に反対する市民が、JR大阪駅周辺で街宣したあと、大阪駅構内を通過しただけで逮捕されました。
駅での訴え犯罪?大阪がれき反対者不当逮捕
http://takumiuna.makusta.jp/e204367.html
②現在も毎週土曜日大阪駅前で行われている市民のごく平和なアクション、 「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」 。
駅構内のアクションでないにもかかわらず、しょっちゅうJR職員が妨害にやってきます。
http://ameblo.jp/kanateach/entry-11762593651.html
これに対しては、憲法学者からの声明も出ています。
【JR大阪駅前広場・歩道における表現活動に対する妨害行為の中止を求める憲法研究者声明】
http://blogs.yahoo.co.jp/henoko_osaka/67059587.html
上記の妨害と、顔認証システムの直接的関連はわかりませんが、JR西日本は、こういう体質の組織であり、個人が特定される可能性もあるデータがそういう組織に提供されるということです。
ところで今回この実験をする主体の独立行政法人 情報通信研究機構は「情報通信分野を専門とする唯一の公的研究機関」だそうです。国家的な組織なわけですね。
4月から開始予定だったこの実験は、幸いにも市民の反対により、実施延期となりました。しかし、中止されたわけではないらしいので、いつまた持ち上がるか油断ができません。
で、昨日アップしたイベント情報でも紹介しましたが、明日、豊中市でこの顔認証カメラに関する学習会が行われます。学習会ですから、比較的小規模な集まりであるにも関わらず、なんと毎日放送と朝日新聞の取材が入るそうです。マスコミも注目しているのですね。
●3月16日(日) 14:00~16:30 豊中市蛍池公民館第一講座室(阪急「蛍池」西側へ陸橋で直結の「ルシオーレ」5F https://www.city.toyonaka.osaka.jp/shisetsu/koumin_library/hotaru/hotarugaiyou.html
)
学習会「大阪駅ビル 顔認証カメラ問題について考える」
講師:大川一夫弁護士
資料代:200円
主催:共通番号制と監視管理社会化に反対する北摂市民ネットワーク(反監視管理ネット北摂)
なんじゃこれ、なんかアヤシイ! 絶対アヤシイ! と思う方は、この学習会に参加されてはどうでしょう。以下、学習会主催者からの呼びかけです。
「4月から、JR大阪駅ビル「大阪ステーションシティ」で、90台のカメラで通行人を撮影し、顔認証システムにより顔の特徴を登録、同一人物の行動を一週間にわたり追跡するという「実証実験」が始まる予定になっていました。
「肖像権の侵害だ」「別のデータと照合すれば個人の特定も可能になる」と懸念や反発の声が相次ぎ、実証実験はひとまず延期となりました。「延期」であって中止ではないので、いずれまた、何らかの方法でやろうとするものと思われます。
この問題を中心にした学習会を行います。講師は、釜ヶ崎監視カメラ撤去訴訟の代理人を務め、野放図に増え続ける監視カメラに警鐘を鳴らしてきた弁護士の大川一夫さんです。大阪駅ビル顔認証カメラ問題を中心に、監視カメラをはじめ、私たちの生活の隅々に及ぶ「監視」と「管理」について考えます。ぜひお越しください。」
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