橋下市長の慰安婦発言にしても、麻生氏のナチス発言にしても、彼らがどう弁解しようが、釈明の余地はありません。
そして彼らの本質が実にわかりやすく表れている麻生氏の発言をめぐってのマスコミの動きに、「マスごみ」と罵倒される大手マスコミの体質がよく表れています。
麻生氏「ナチス発言」、揺れる大手新聞報道 最初は問題視せず、後から大きく取り上げる
(J-CASTニュース 8月2日(金)19時55分配信より引用 記事下部に全文転載あり)
麻生副総理は2013年7月29日、民間シンクタンク「国家基本問題研究所」主催の講演会に出席、その中で憲法改正について「ナチスに学べ」などと発言した――とされている。
一方でこの講演会の模様は、30日の時点で毎日新聞を除く主要各紙(ウェブ版含む)がそろって報じたものの、朝日新聞、産経新聞では「ナチス」の部分は問題視しなかったのか、記事では一切触れていなかった。
対して読売新聞および共同通信は「ナチス発言」を大きく取り上げ、
「ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演」(読売新聞ウェブ版、30日配信)
などと報じ、騒動の引き金を引いた。
(引用ここまで)
読売に大きく出遅れた(!)朝日新聞は、8月1日の朝刊で麻生発言を取り上げましたが、1面トップではなく、3面に取り上げました。
この日の一面トップは
「汚染水漏れ口 2年放置 福島第一建屋と坑道筒抜け」
なるほどこれは重要なニュースです。
ところがその隣は
「災害危険度「レベル1~5」 警報・注意報から表現統一」
警報や注意報の表現の変更が、麻生氏ナチス発言より、重要なニュースでしょうか?
他社が取り上げた以上、朝日としてもこの日に麻生氏の発言を取り上げないわけにはいかないのです。でも一面に載せなかった。これが意味するものは何か?
デモクラTVでもよく言われています。
重要なニュースがどこに載っているか(一面かその他の面か)がその報道機関の姿勢を示す重要な指標になる、と。新聞社としては他社が報道するニュースを載せないわけにはいかないが、それを意図的に一面から外すことによって、朝日新聞は、政権におもねったわけです。
ただし朝日では、1日の天声人語(1面)(記事下部に掲載)で麻生発言を批判的にとりあげていました。これは朝日のジャーナリストたちのささやかな抵抗でしょうか。4月から(だったと思います)天声人語担当記者が変わって、社会問題にかなり踏み込んだ発言をする人が担当になりました。
そして今日8月2日の朝日新聞では、1面の端っこの方に
「麻生副総理「ナチス」発言 官邸主導幕引き急ぐ」という記事が掲載され
2面はほぼ全面、4面、34面でも麻生ナチス発言にまつわる記事を載せました。
まあなんというか、「今さらかい!」と突っ込み入れたくなる状態ですね。
ネット上では、麻生発言は、30日からすでに問題にされていました。
ツイッターにはこんな発言も。
↓ ↓
avocado daisuke
@avocadodaisuki
そのと・お・り!ーー"@mt3678mt
: 今から思えばまったく問題のなかった民主党鉢呂経産相の「死の町」発言を執拗に叩いたマスコミが、それよりはるかに問題の大きい麻生副総理の「ナチスに学べ」発言に沈黙している。いったいこの国のジャーナリズムはどこに行ってしまったのか。"
https://twitter.com/avocadodaisuki/status/362591629854511104
ちなみに、J-CASTニュースによると、麻生発言をいち早く取り上げた読売の
「ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演」というタイトルは、翌日には変更され、8月2日現在は
改憲「狂騒、狂乱の中で決めるな」…麻生副総理
というごく穏健なタイトルになっています。やっぱり読売だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130730-OYT1T00050.htm
(記事全文転載)
麻生氏「ナチス発言」、揺れる大手新聞報道 最初は問題視せず、後から大きく取り上げる
(J-CASTニュース 8月2日(金)19時55分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130802-00000010-jct-soci&p=2
麻生太郎副総理の「ナチス発言」をめぐる騒ぎが止まない。2013年8月1日、発言は撤回されたものの、以後も国内、さらには海外メディアなどからも非難が殺到している。
一方で橋下徹・大阪市長など、「全体の文脈を通して読めば、それほど問題発言ではない」という指摘も出始めた。また騒動の影で、第一報を伝えた新聞記事の「ナチス」見出しが、いつの間にか訂正されるなど、マスコミの「揺れ」も目立つ。
■読売新聞の記事の見出しが訂正される
麻生副総理は2013年7月29日、民間シンクタンク「国家基本問題研究所」主催の講演会に出席、その中で憲法改正について「ナチスに学べ」などと発言した――とされている。
一方でこの講演会の模様は、30日の時点で毎日新聞を除く主要各紙(ウェブ版含む)がそろって報じたものの、朝日新聞、産経新聞では「ナチス」の部分は問題視しなかったのか、記事では一切触れていなかった。対して読売新聞および共同通信は「ナチス発言」を大きく取り上げ、
「ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演」(読売新聞ウェブ版、30日配信)
などと報じ、騒動の引き金を引いた。その後、各社はこれを後追いする形で発言を報道、海外メディアも巻き込んでの「総攻撃」を浴びる羽目になった。特にユダヤ人人権団体などが批判を始めると、各紙は大々的に「麻生叩き」に出た形だ。
ところが、騒動が広がった31日深夜ごろ、いち早く発言を報じた読売新聞の上記記事の見出しが訂正されていた。8月2日現在、問題の記事にアクセスすると、
改憲「狂騒、狂乱の中で決めるな」…麻生副総理
と、「ナチス」を外した見出しとなっている。記事の内容には大きな変更はないようだが、これはどうしたことだろうか。
これについて公式のアナウンスはなく、J-CASTニュースの取材に対しても、「個別の記事に関する取材活動や編集についてのご質問には、従来お答えしていません」(読売新聞グループ本社広報部)とだけ回答した。
こうした報道の「ぶれ」に、ネット上では辛辣な声も少なくない。
「しかし慰安婦問題と言い、麻生のナチス発言と言い『海外の批判がないと対応が鈍い』日本マスコミには呆れる」
「呆れた 煽れるだけ煽ったタイトルつけて国際問題化って きっちり責任とれよな」
実際、麻生副総理の発言の詳細が伝えられ始めると、「ナチスに学べ」という取り上げられ方は恣意的なものではないか、という声も出始めている。同日の講演で麻生副総理は確かに「(ワイマール憲法はナチス体制に)誰も気が付かないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね?」と発言しているものの、しかしその前段では、
「きちんと、ワイマール憲法という当時ヨーロッパで最も進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきたんですから。常に憲法は良くても、そういったことはありうるということですよ」
と述べており、麻生副総理の言うとおり「悪しき例」として言及しているとも取れるためだ。発言の解釈をめぐってはさまざまな見方があるものの、橋下市長は1日、
「(発言全体としては)憲法という中でね、ナチス・ドイツというものが生まれてきた民主主義の経緯ってものがあるわけだから、きちんと憲法改正論議、心してやらなければいけないんじゃないか、というところが趣旨だったんじゃないですか。だからナチス・ドイツを正当化したなんて趣旨はなかったと思う」
と擁護、メディアの報道姿勢にも暗に釘を指した。
もっとも、こうした橋下市長発言にもユダヤ人団体幹部からさらなる批判が寄せられている。麻生発言への風当たりはまだまだ激しさを増しかねない。
(転載ここまで)
8月1日朝日新聞1面「天声人語」