IOCの総会で、「汚染水は0.3キロ㎡の範囲でブロックされている」と言った安倍首相。
小出さんの言われるとおり、国際社会に対して大嘘をついた恥知らずの発言です。
さらにもうひとつ、わたしが耳をうたがったのはこの発言。
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そして、わが国の食品や水の安全基準は、世界の最も厳しい規準であります。食品や水からの被曝量は、日本どの地域においても、この規準の100分の1であります。
ま、つまり、健康問題については、今までも、現在も、そして将来もまったく問題ないということをお約束を致します。
事故から2年半にして、すでに甲状腺がんの子供たちが、強い疑いのある子も含めて40人以上も出ているそうです。この数はこれからどんどん増えていくでしょう。
いったい安倍氏は福島の何を見て発言しているのか。というか、国民がどんな健康被害を被ろうと、そんなことはもともとこの人にはまったく関心がないのでしょう。
日本政府はこれらの甲状腺がんと原発事故との因果関係を認めていません。事故から4年後あたりから甲状腺がんの子供が爆発的に増えたというチェルノブイリの事例から、「小児甲状腺がんの発生は原発事故から4年後」という根拠のない理由でもって、現在発生している甲状腺がんと事故との因果関係を否定しているのだそうです。
では実際、チェルノブイリではどうだったかというと
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「〈フクシマの悪夢〉 ―増え続ける小児甲状腺がん―」より引用
http://www.janjanblog.com/archives/99967
「ちなみに、チェルノブイリ原発事故(1986)での小児甲状腺がん発生件数は、1986年に2件、1987年に4件、1988年が5件、翌年7件(1989)と微増していき、事故後4年で【29件】に激増する。そして、その後も59件(1991)、66件(1992)、79件(1993)、82件(1994)と増加を続けていくが、日本は、2年数ケ月で、小児甲状腺がんが(その疑いの強い者を含めて)【43件】である。」
(引用ここまで)
日本では、チェルノブイリよりはるかに速い速度で甲状腺がんの患者が増加しています。この状況を見てみると、残念ながら、 「東日本はウクライナより絶望的に見える」 というスモルニコワ医師の予言は当たっているのでは? と思わざるを得ません。
スモルニコワさんは、ウクライナで行っていたような汚染拡大防止のためのさまざまな方策を、日本では行っていないというのです。国がもっと迅速に動いていれば減らすことができたはずの事故の被害者が、いまどんどん増えつつあります。チェルノブイリ事故の影響を間近で見続けてきたスモルニコワさんには、早い段階でそのことがよく分かっていたのでしょう。
スモルニコワ医師の活動しているあたりの汚染は、5キュリー/k㎡、およそ2850Bq/kgに少し足りないくらいのレベルだそうです。
このあたりでは、子供の七割くらいが体調不良を抱えていて、深刻な症状の子供も一割程度、健常な子供は三割程度しかいないそうです。
2011年11月の学習会の記録だそうですが、是非お読みください.
(翻訳の日本語は若干読みにくい個所があります)
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ベレルーシの医師 スモルニコワさんの発言より (2011年11月20日沖縄)
「とある原発の溶融貫通(メルトスルー)」より引用
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/2013-09-13.html
「出産率はだんだん減り、死亡率は高くなります。それは、理由がいっぱいあります。
事故の後すぐ、1986とか88年に子どもであった人は今ロシアにいます。でも、子どもが生まれることができる人々は、どんどん減ります。その若い両親は、普通健康が悪いです。いろいろな疾患があります。
そして、徴兵に行かなければなりません。少年の調査がありました。10年前、25%の少年は、いろいろな疾患で、徴兵に適合できませんでした。2011年春、徴兵に行かねければならない少年のうちに、38%は全然適合できませんでした。
そして、徴兵行った少年のうちに、34%はいろいろな機能疾患で制限があります。
妊娠の女性のうちに85%は何か病気があります。
糖尿病、高血圧、腎臓の問題、甲状腺の問題、心臓の問題とか、とても問題があって子どもを産めるのはとても難しくなります。
それに、精神疾患がある人々も最近多くなりました。」
「ストロンチウムと骨の関係。脊柱疾患が増えた関節炎も重症化。
骨は柔らかくなり壊れやすくなる。骨の間にある節の疾患も増加。
骨がよく動かないので騒いで動く。ベラルーシ医師たちは、疾患の原因がわかっていない。
でも、そういった疾患がでていることは事実。」
「これから、私が言うことをどうか怒らないで聞いてください。
ウクライナは、原発事故で、汚染が広まらないよう防御をした。
農地も居住地も、汚染は広がらないようにした。
私の印象では、東日本はウクライナよりも絶望的に見える。
農地の汚染が深刻であり、また汚染の拡大が続いている。居住地の汚染も厳しい。
東日本は、チェルノブイリよりも、ストロンチウム、α線やβ線の核種が、大量にでているだろう。
いま汚染地に住む人々が避難するとしても、
膨大な人々の移住先として、汚染されていない土地が確保できるとは思えない。」
(引用ここまで)
スモルニコワさんが活動するあたりの汚染度は、日本だとどの地域にあたるか調べてみました。
「文部科学省が2011年10月6日に発表した文部科学省による秋田県の航空機モニタリングの測定結果の空間線量率と土壌汚染の汚染地図と現在発表されている全体の汚染地図」
のうちの、
「現在発表されている全体の汚染地図」
http://savechild.sub.jp/archives/93.html
より引用
スモルニコワさんが主に活動する地域は、「2850Bq/kgに少し足りないあたり」ですから、「ベクレル/㎡」に換算すると約185.3kベクレル/㎡※
上の地図の青い部分が100k~300kベクレル/㎡となっており、茨城県や千葉県の一部も含まれていますね。
※原子力安全委員会によると、Bq/kgからBq/㎡に換算するには、65をかける
現在のウクライナにおける健康被害の実態をとらえたETV特集。以前に紹介した番組ですが、まだごらんになっていない方は、ぜひご覧下さい。事故から25年以上たった今でも深刻な健康被害があります(とりわけ深刻なのは子供たち)。衝撃的な番組です。
↓ ↓
NHK・ETV特集 チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告(2)ウクライナは訴える
(下記2本はどちらも同じ内容の動画です。削除されたときのために2つの動画にリンクしています)
http://www.at-douga.com/?p=5927
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