8月17日からスタートした十三シアターセブンの「食べもののこれから」シリーズ。24日から始まったシリーズ第2弾、 「パーシー・シュマイザー モンサントとたたかう」 と 「暴走する生命」の二本立てを見てきました。よかったですよ~。
特に「パーシー・シュマイザー モンサントとたたかう」
このドキュメンタリーは、極悪非道(←決して言い過ぎではありません)の巨大グローバル企業「モンサント」に果敢に立ち向かったカナダの農民老夫婦の物語です。
相手は国家さえ丸め込むほどの巨大企業。まるでありんこが巨象に挑むかのような絶望的な闘いです。
ストーリーは…
「カナダの農民パーシー・シュマイザーの菜種畑は、1997年、風で飛ばされてきた遺伝子組み換え(GM)種子によって汚染された。彼は50年間の仕事の成果を全て失った。
その上、GM種子を開発したモンサント社に特許権の侵害で訴えられた。裁判所は彼に損害賠償金の支払いを命じた。
モンサント社は彼と家族の行動を監視し精神的ダメージを与え続けた。しかし、パーシーと妻ルイーズはその圧力に屈せず最高裁に訴えた。米国でも同様にモンサント社に抵抗する農民達がいた……」
これを読んだだけでも腹立たしいですよね。汚染された上に、特許権侵害で訴えられて、しかも裁判で負ける。モンサントのような超ブラックグローバル企業は恥知らずなことも極悪非道なことも、金儲けと世界征服のためなら平気でやります。こんな不正が許されるのか、アメリカならまだしも、カナダ政府までもがグローバル企業の思いのままになっているのかと、見ていて悔しくて悔しくて。
わたしたち富も権力もない一般市民は、こんな明らかな不正を前にしても、ただ黙って頭を垂れ打ちのめされるしかないのかと暗澹たる気持ちになります。
でもね、結末は…。お楽しみに。
パーシーが苦労の末に勝ち取った小さな小さな勝利が、いつか多くのパーシーのような農民の力で大きな勝利につながっていくのでは? そんな未来の希望を感じさせてくれます。
それにしてもパーシーとその妻の強さはどこから来るのでしょう。彼らを支援する声は次第に世界中に広がっていったので、彼らは決して孤独な闘いを闘っていたわけではありません。それにしても、最初はたった二人で始めたであろうこの闘い。老夫婦の勇気に心から敬意を表します。
あり得ないようなひどいことばかりが次々と起こる今の日本。巨大な敵を相手に闘うことに、時に無力感や絶望感を抱いている人は多いでしょう。
それでも黙ってしまっては終わりなのです。闘うしかないのです。その勇気と、闘いを通して多くの人とつながって、それが人生の充実につながるということを、この映画は教えてくれます。
クリックして応援お願いします!